大和十三佛霊場について

十三佛信仰は日本において古く、平安時代から宗派を超え広く信仰されてきました。

仏教では、人の命は一度死んだらおしまいという考え方ではなく、その人の魂は永遠に生まれ変わり続けると説かれています。
十三佛の仏さまはそれぞれに違った徳(特性、役割)を持ち、それぞれの働きを以て私達が亡くなったとき、より良き人間として輪廻転生するために魂を守護してくださる仏さまです。

この十三佛をお祀りする大和路の十三ヶ寺によって大和十三佛霊場が開かれています。皆さまにはこの美しき大和路を訪ね、御仏の心を培っていただくと共に先祖供養並びに諸願を成就し、より豊かな生活をお築きくださることを願っております。

  • 第一番 生駒山

    -ほうざんじ-

    宝山寺

    商売の神様として人気の高い「生駒の聖天さん」。全国的な信仰を集めています。ご本尊は、約300年前の作になる不動明王で、こちらも広く信仰されているお不動さまの霊場です。

    不動明王

    -ふどうみょうおう-

    忌日/初七日

    お不動さまは右手に剣、左手に絹索をお持ちになり、背に火焔を背負って憤怒の形相をし、大盤石に座しておられます。大日如来の化身として諸尊の先頭に立ってお救い下さいます。

    功徳

    • 来世 亡者の未練を右手の剣で断ち切り、左手の絹索で導く
    • 現世 迷いを断ち切り、悪障を焼尽し、心願成就へ向かわせる
  • 第二番 勝宝山

    -さいだいじ-

    西大寺

    奈良を代表する官大寺で、東の東大寺に対する「西の大寺」。本尊「釈迦如来」像は京都嵯峨清涼寺の像を模刻した代表的な名作です。

    釈迦如来

    -しゃかにょらい-

    忌日/二七日

    お釈迦さまは仏教の開祖。今から2500年前にインドの菩提樹の下で、世の中の道理、自然の摂理を体得し、一切の迷いを離れて悟りを開かれました。

    功徳

    • 来世 無常の理を説き、不安を除く
    • 現世 道理を示し、不安を除く
  • 第三番 安倍山

    -あべもんじゅいん-

    安倍文殊院

    「三人寄れば文殊の智恵」で有名な、智慧の神さまとして「合格祈願」の参拝者が多く見受けられます。ご本尊の文殊菩薩像は、日本最大の七メートルの像です。快慶の代表作で、国宝に指定されています。弁天さまをお祀りする金閣浮御堂や秋はコスモス大迷路など見どころが満載です。

    文殊菩薩

    -もんじゅぼさつ-

    忌日/三七日

    獅子に乗る文殊さまは「三人よれば文殊の知恵」といわれるように知恵のほとけさまです。右手の剣は「諸戯(しょけ)を断つ」といわれ、愚かさを切る智慧の剣です。

    功徳

    • 来世 釈迦の説法を生かす智慧を説く
    • 現世 いのちを生かす知恵を授ける「智の菩薩」
  • 第四番 釜之口山

    -ちょうがくじ-

    長岳寺

    弘法大師の創建になり、「釜ノ口大師」と呼ばれる古刹。藤原末期の作になる阿弥陀三尊像は、日本初の「玉眼」を用いた貴重な像です。普賢菩薩は重文の延命殿に祀られ信仰を集めています。

    普賢菩薩

    -ふげんぼさつ-

    忌日/四七日

    普賢さまは六牙の白象に座しておられます。ほとけの慈悲の活動を「普賢の行願(ぎょうがん)」というように、救いの行の菩薩さまです。

    功徳

    • 来世 文殊の智慧を生かす行を説く。
    • 現世 いのちを生かす活動を助ける。「行の菩薩」
  • 第五番 矢田山

    -やたでら-

    矢田寺

    「矢田の地蔵さん」で親しまれる日本最古の延命地蔵菩薩像。
    「あじさいの寺」としても非常に名高く、毎年6月~7月には多くの参詣者でにぎわいます。

    地蔵菩薩

    -じぞうぼさつ-

    忌日/五七日

    大地のぬくもりをあらわすお地蔵さまは六道衆生を救うほとけさまです。六道とは地獄・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道(人間界)・天道(天界)の6つで、全ての生きとし生けるものに救いの手をさしのべて下さいます。

    功徳

    • 来世 えんま王の裁きの時。亡者を救済する。
    • 現世 安産や長寿など、この世を生きる上でさまざまな福徳を授かる。
  • 第六番 當麻山

    -たいまでらなかのぼう-

    當麻寺中之坊

    白鳳時代の創建で、天平時代の東西両塔が並び立つ名刹・当麻寺の最古の僧坊が「中之坊」です。中将姫の守り本尊「導き観音さま」は特に女人の健康を守護することで信仰されています。

    弥勒菩薩

    -みろくぼさつ-

    忌日/六七日

    「第二の釈迦」といわれる弥勒さまは、未来の世にお釈迦さまと同じ如来となってこの世に降り立つお方で「未来仏」ともいわれています。常に心を鎮め、衆生を救う思いをこらしておられるため、心を清めるお徳をお持ちです。

    功徳

    • 来世 第二の釈迦として説法を引き継ぐ。
    • 現世 心を落ち着かせ、正しい判断を助ける。「定の菩薩」
  • 第七番 日輪山

    -しんやくしじ-

    新薬師寺

    あらたかな薬師如来の寺。本堂に祀られる国宝の薬師如来、そしてそれを取り囲む国宝の十二神将。
    その荘厳なお姿は圧巻。
    それ以上の言葉を要しません。

    薬師如来

    -やくしにょらい-

    忌日/七七日

    お薬師さまは左手の薬壺が示すとおり、私たちの健康を守って下さる仏さまです。日々無事、健康に過ごせることが最も尊いことだということを教えて下さっている仏さまです。

    功徳

    • 来世 満中陰。新たな身を授ける。
    • 現世 身体の健康を守る。
  • 第八番 無量山

    -おふさかんのん-

    おふさ観音

    「積の観音さん(癪の病をとる、の意)」として広く信仰されている観音霊場。一年中花が咲き乱れる「花まんだら」の寺としても親しまれています。
    また「円空庭」とよばれる庭園も拝観できます。

    観音菩薩

    -かんのんぼさつ-

    忌日/百ヶ日

    阿弥陀さまの左におられる観音様は慈悲の菩薩さま。願いに応じて様々に姿を変え、私たちを見守って下さいます。

    功徳

    • 来世 阿弥陀の脇侍として、亡者を蓮の台にすくい上げる。
    • 現世 やさしさを授け、慈悲の活動を助ける。「慈悲の菩薩」
  • 第九番 真弓山

    -ちょうきゅうじ-

    長弓寺

    密教本堂の代表建築と賞される国宝の本堂をはじめ、荘厳な桧皮葺き伽藍の古刹。
    6月~7月にはあじさいも見頃となります。

    勢至菩薩

    -せいしぼさつ-

    忌日/一周忌

    阿弥陀さまの右におられる勢至さまは智慧の菩薩さま。お姿は聖観音(しょうかんのん)さまにそっくりですが、頭の宝冠に水瓶がついています。そこから智慧の力をふりそそぐのです。

    功徳

    • 来世 阿弥陀の脇侍として、亡者を先導する。
    • 現世 仏の智慧を授ける。
  • 第十番 鼻高山

    -りょうせんじ-

    霊山寺

    薬師湯にはじまる古刹で、国宝・重文の伝統的な建築のほか、弘法大師が開いたとされるパワースポット「奥の院」があります。また、「バラ園」は世界平和と心のやすらぎをテーマとし、春秋200種2000株が咲き誇ります。

    阿弥陀如来

    -あみだにょらい-

    忌日/三回忌

    阿弥陀さまは西方の極楽浄土の教主さまです。極楽の住人を正しく教化するため説法に努められています。

    功徳

    • 来世 極楽の教主として、亡者を教化する。
    • 現世 安らぎの世界(浄土)を示し、安らかな暮らしを導く。
  • 第十一番 信貴山

    -しぎさんぎょくぞういん-

    信貴山玉蔵院

    「信貴山」は聖徳太子の前に毘沙門天さまが日本で初めて出現されたお山です。信貴山玉蔵院は、興教大師が毘沙門天より如意宝珠を授かった寺院です。毘沙門さまの総本山として広く信仰されています。

    阿シュク如来

    -あしゅくにょらい-

    忌日/七回忌

    阿弥陀さまと反対、東の浄土におられるのが阿シュクさま。「無動如来」ともいわれ、動じない堅固な意志を持ち、魔を下す強い力をお持ちです。

    功徳

    • 来世 新たないのちに向け、堅固な意志(金剛)を授ける。
    • 現世 迷いにうち勝つ強い心を授ける。
  • 第十二番 忍辱山

    -えんじょうじ-

    円成寺

    多宝塔のご本尊「大日如来」は仏師・運慶の20才頃の作で、在銘のもとしては第1作となる非常に貴重な尊像です。また県指定名勝の庭園も著名です。

    大日如来

    -だいにちにょらい-

    忌日/十三回忌

    天地宇宙の中心であり全てである仏さま。一切衆生は大日さまの深い優しさと限りない厳しさに満ちた大いなる懐に抱かれています。

    功徳

    • 来世 宇宙の根本教主として、一切の衆生を見守る。
    • 現世 宇宙の根本教主として、一切の衆生を見守る。
  • 第十三番 三論学山

    -だいあんじ-

    大安寺

    南都七大寺の一つで、三論宗の根本道場として重きをなした古刹です。「がん封じ」の寺として知られ、特に「ささ酒祭り」は全国からの参拝者でにぎわいます。

    虚空蔵菩薩

    -こくうぞうぼさつ-

    忌日/三十三回忌

    虚空蔵さまは、大空のこころを体現する菩薩さまです。平穏に安住することなく菩薩道を実践し続けることを表すため、根本教主大日如来さまのあとに、十三佛のしんがりとして登場されます。

    功徳

    • 来世 安らぎを与え、「菩薩(完成された人格)」として生かしめる。
    • 現世 大空の心を授け、理想の姿を示す。